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BLAST WAVE
2001年8月26日 梅田ステラホール
観客動員数:800人(満員)
第1試合 時間無制限1本勝負
 AAAWシングル王座次期挑戦者決定トーナメント1回戦

×ダイナマイト・関西
vs
KAORU○
(6分18秒、角材をヒザに挟んでのレッグロック)
中島リングアナ・試合のポイント
 大会ご挨拶から本部席でのご観戦、果てはヤジからチャチャ入れまで、試合がお休みの分、何かとコマコマ動き回わられていたこの日の尾崎ルールディレクター。第1試合前も選手呼びこみ直前にリングに登場し、「一つ言い忘れてた。KAORU戦のみ特別レフェリーを用意したから」とのたまい、再び本部席にご着席。
 そのKAORUはシルバーに塗装した角材を数本背負い、ポリスを引き連れて入場。リングに上がるや、最近定番となりつつあるセクセイな脱ぎ脱ぎムーブ。“出”の雰囲気作りもプロの見せ場です。続いて関西も入場しリングが明るくなると、再び尾崎がマイク。「じゃあ、頼むぞレフェリー」 そして「おう!」とか言いながら上着を脱いだのは…よりによってポリス。その下にはご丁寧に縦縞のシャツが…。
一方の関西はカラダ1つ。「凶器使え!」のクレームには「オレの体が凶器じゃ!」と一喝。ところが、いざ試合が始まり関西がキックを放つとKAORUは尋常じゃない痛がりよう。関西がニヤリとしてレガースをめくると、その下にはアジャ缶とお揃いデザインの鉄板が!なるほど、確かにカラダが凶器。右ヒジにも同様のものを仕込んでました。しかし、関西はその鉄板を投げ捨ててしまい正攻法にスイッチ。これに対してKAORUはお構いなしに角材攻撃を関西の右足に集中砲火。最後はヒザ裏に角材を挟んで、裏アキレスの要領でグイッ!エグいレッグロックで関西タップ。
第2試合 時間無制限1本勝負
 AAAWシングル王座次期挑戦者決定トーナメント1回戦

○アジャ・コング
vs
山田 敏代×
(9分17秒、裏拳から片エビ固め)
中島リングアナ・試合のポイント
アジャはアジャ缶持参。山田は何も持参せずに入場。必ず1度の凶器使用が義務づけられた試合形式とあって、アジャは尾崎を睨みながらも山田をアジャ缶で殴打。これに対し、山田はリング下にあった試合前の練習で使うプッシュアップボードで応戦。しかし、義務を果たすと2人は凶器を捨て、中盤からは力と技のぶつかりあう迫熱の攻防へ。最後はカッターをかわしたアジャが左のショート裏拳から右の裏拳につないでフィニッシュ。終盤の攻防はお互いの持てる技をぶつけ合う、芯のしっかり通ったシングルマッチでした。
第3試合 時間無制限1本勝負
 AAAWシングル王座次期挑戦者決定トーナメント1回戦

○里村 明衣子
vs
広田 さくら×
(9分24秒、腕固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 広田は暗闇の中から底面にカラー電飾を仕込んだタライを凶器として持参(100個近く仕込まれた電飾の先端が鋭く尖っている、見た目と裏腹にかなりデンジャラスなシロモノ)。地獄車でそのタライに顔面から突っ込んだり、「お前、国分太一に似てるな」と口八丁で脱力を狙ったりとリングを自分色に染めにかかるも、里村は表情を崩さず、一切付き合う気配はなし。広田はラチがあかないとばかり場外に降り「アイツ、全然凶器つかわないんスよ」と尾崎を巻きこんでチェンジ・オブ・ペース。ここで業を煮やした里村がついにブチ切れ、電飾タライを奪うと広田を容赦なくメッタ打ち。更に場外でド突き回して「くやしくねぇのか、オイ!」と挑発。すると、ここでうずくまっていた広田の顔色が明らかに変わり、強烈なストンピングとともにマジモードを飛び越してケンカモードに突入。「やってやるよ」と捨て台詞を吐くと、リングに戻り感情剥き出しで裏拳や張り手を連打。これに待ってましたと里村も応戦し、最後は十字をエスケープして粘る広田を、ノーザンから強引にアームバーでねじ伏せて勝利。
 シビアな状況でのトーナメント戦とあって、一切広田に付き合う気のなかった里村と、あの手この手を使って何とか自分の世界へ引っ張りこもうとした広田。プロレスへのスタンスがまったく異なる2人の価値観の攻めぎあいは、先に里村の領域に踏み込んだ広田の負け。ただ、踏み込んだことで試合がヒートしたのは、試合後の里村の表情からも一目瞭然。た「コイツをブッ倒してぇ」という極めてシンプルな感情のぶつかり合いが、ギクシャクしながらも熱量の高い一戦を生みました。また、そういうものから一番遠い(と思われる)人がそれを表現したところが、この試合の妙味かなと。
第4試合 時間無制限1本勝負
 AAAWシングル王座次期挑戦者決定トーナメント1回戦

○植松 寿絵
vs
永島 千佳世×
(12分38秒、エビ固め)
中島リングアナ・試合のポイント
ゴングと同時に永島が本部席の尾崎の椅子を奪い、植松と椅子を巡って頭脳戦を展開。ほどなくして「これで文句ねえだろ」と椅子を下に落とすと、改めてクリーンに再開。これに尾崎は「チッ」。試合は久々の一期生対決とあり、期待値は高かったのですが、内容的には期待値に届かず。最後は植松がアジャからピンを取った、下から引きこんでのエビ固めで勝利。ちなみにトーナメントとは別次元で、植松はGAEAマットで永島からシングル初勝利です。
第5試合 時間無制限1本勝負
 AAAWシングル王座次期挑戦者決定トーナメント準決勝

×アジャ・コング
vs
KAORU○
(9分50秒、エビ固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 KAORUはある意味、勝負パンツとも言える黒いラダーを担いで入場。一方のアジャは相手がD-FIXならばと、セコンドの関西、山田と共に2ダース近いアジャ缶を持って入場し、開始早々、缶の嵐でKAORUをボコボコに。中盤のラダーを巡る攻防はKAORUがラダーを利しての雪崩式ブレーンバスタープレスを見せれば、アジャもKAORUをラダーでサンドイッチにしてスプラッシュを見せるなど、ほぼ互角。終盤、KAORUはエクスカリバー(今のKAORUは関西やアジャを当たり前のように上げます。前は上げられなかったのに…)を繰り出すもアジャはキックアウト。最後はアジャがポリスのレフェリングにクレームをつけた隙にKAORUがアッパー狙い。これをアジャは後ろにかわすもバランスを崩して転倒。KAORUがそのままエビに固めて勝利。8割方押してたアジャは茫然自失。うーん…ビデオで確認しないと何とも言えないんですが、最後、ポリスがアジャの足を引っ掛けてたような…。気のせいかなぁ。
第6試合 時間無制限1本勝負
 AAAWシングル王座次期挑戦者決定トーナメント準決勝

○里村 明衣子
vs
植松 寿絵×
(11分42秒、オーバーヘッドキックから片エビ固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 序盤はクリーンにファイト。なかなか凶器を使わない両者に、尾崎は最初はヤジを飛ばしていたものの、ついに苛立ってエプロンに立ち「凶器使えよ!使わないと反則負けにするぞ!」とムチャクチャなアピール。しぶしぶ椅子を持った植松は椅子を振りかざすも、里村がその椅子を蹴りでカットすると、吹っ飛んだ椅子はエプロンの尾崎へ一直線!この確信犯的行動に場内オオッ!里村は更に尾崎に椅子を蹴りつけ、「一回使ったんだから文句ないだろ!」これには校長、フテくされまくり。通常の試合に戻った両者は、植松が里村のオーバーヘッド狙いを逆さ押さえ込みなどでテクニカルにカット。それでも最後はバックに回った里村が馬飛びの要領で植松の前方に立ち、オーバーヘッド!更にもう一発叩き込んで決着。
メインイベント 時間無制限1本勝負
 AAAWシングル王座次期挑戦者決定トーナメント決勝

×里村 明衣子
vs
KAORU○
(11分40秒、エクスカリバーから片エビ固め)
※KAORU優勝
中島リングアナ・試合のポイント
KAORUは最後の最後で守護神・机の板を複数持参。3試合とも違う凶器を用意してきたのはさすが。一方の里村は目には目をと赤バット持参。凶器を巡る攻防と、純粋なテクニックの混じった好勝負が続くも、中盤、KAORUが不利になると、ここまで不自然なまでに公平なレフェリングを続けてきたポリスがついに本性を現し、高速&スローカウント。これには観客罵声。息を吹き返したKAORUは里村のデスバレー狙いをショルダーロックやスイング裏DDT、空中腹固めなど豊富なバリエーションで切り返し、エクスカリバー2連発で勝負。これを里村がしのぐと尾崎からゴングの木槌を受け取り、木槌アッパー!
最後は念には念をとエクスカリバーにつなぎ、ポリスが正確なレフェリングで3回マットを叩いてフォール勝ち。これにて、決定戦1枠はまずKAORUが確保し、D-FIXは意気揚揚。他選手は崖っぷち。
さて、残り1枠を賭けた9・2後楽園のトーナメント、1回戦の個人的注目カードは里村vs永島。1年9ヶ月ぶり、それも前回は里村が負傷し不本意な内容となっただけに、期待は大。既に1枠を確保したKAORUと、長与来場に不敵な笑みを見せる尾崎の動向にも注目。

追記:この日、ケガのため引退した元2期生の松本麻依子が久々に観戦に来ました。現在は学生時代にやっていたレーシングカヌーの世界でアジア大会に出場するなど頑張っているそうです。